プレオルソ ~ 口腔機能の改善・育成と正しい歯並びづくり

機能的マウスピース型矯正装置を使用した治療とは 

当院では、主に10歳くらいまでの患者さんを対象として、機能的マウスピース型矯正装置「プレオルソ」を使用した治療をご提案しております。 「プレオルソ」機能的マウスピース型矯正装置を使用した治療とは、お口の周りの筋肉を整えることによって、現在の歯並びを良い方向へと促し、なおかつお子様の未来の歯並びのための土台を作る治療法です。

10歳までのお子様に大切なこと

お子様の成長過程において、10歳までの時期は口腔の発育にとって非常に重要な期間です。この時期に適切なケアと習慣を身につけることで、将来の歯並びや噛み合わせの状態に大きな影響を与えることができます。

1. 顎の発育を促すことが重要

子どもの顎は、6歳頃から永久歯が生え始め、10歳頃までに急激に成長します。しかし、現代の食生活や生活習慣の変化により、顎の成長が十分に促されず、歯並びが悪くなったり、噛み合わせに問題が生じることが増えています。プレオルソは、成長期の顎の発達をサポートし、正しい歯並びへ導く役割を果たします。

2. 口呼吸を改善し、正しい舌の位置を意識する

口呼吸の習慣があると、顎の成長が妨げられ、歯並びや顔の発育にも悪影響を及ぼします。また、正しい舌の位置(上顎に軽くつける状態)を保つことで、自然と口の周りの筋肉が鍛えられ、理想的な顎の成長を促すことができます。プレオルソは、こうした機能的な問題を改善し、正しい呼吸と舌の位置をサポートします。

3. 指しゃぶりや頬杖などの悪習慣の改善

指しゃぶり、舌突出癖、頬杖などの悪習慣は、歯並びや噛み合わせに悪影響を与えます。特に、10歳までの時期にこうした習慣を改善することが、将来的な歯並びのトラブルを防ぐために重要です。プレオルソを活用することで、口腔周囲の筋機能が整い、自然と悪習慣が改善されやすくなります。

4. 咀嚼習慣を育てる

柔らかい食べ物ばかりを食べると、噛む回数が減り、顎の成長が不十分になりがちです。しっかりと噛むことを意識し、硬めの食品(例えば根菜類やナッツ類など)を取り入れることで、顎の発達を促しましょう。プレオルソを使用することで、正しい咀嚼をサポートし、噛む力を鍛えることができます。

5. 歯並びを意識した予防的アプローチ

10歳までの段階では、まだ骨が柔らかく、歯の移動や顎の発育がスムーズに行われやすい時期です。このため、この時期に適切な予防的アプローチを取ることで、将来的な本格的な矯正治療を避けたり、最小限の治療で済ませることが可能になります。プレオルソは、成長を利用した矯正を行うための最適な方法の一つです。

歯並びはお口の中と外側の筋肉のバランスによって変わってきます

歯並びは、単に歯の生え方だけで決まるものではありません。実は、お口の中の筋肉(舌や口の中の筋肉)と、外側の筋肉(唇や頬の筋肉)のバランスが非常に重要な役割を果たしています。

このバランスが崩れると、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼし、将来的な歯科トラブルにつながることがあります。

1. 舌の位置と歯並びの関係

舌は歯並びの形成において重要な役割を担っています。正しい舌の位置は、上顎の天井(口蓋)に軽く触れている状態ですが、口呼吸や舌の癖によって舌が正しい位置にないと、歯列に影響を与えることがあります。例えば、舌が下の歯に押し付けられる習慣があると、前歯が前方へ押し出され「出っ歯」になる可能性が高まります。

2. 唇や頬の筋肉が歯を押さえる力

歯は舌の力によって内側から押され、同時に唇や頬の筋肉によって外側から押さえられています。この力のバランスが取れていると、歯は自然に理想的な位置に並びます。しかし、例えば口をぽかんと開ける癖(口唇閉鎖不全)があると、外側の筋肉の圧力が弱まり、前歯が前方に傾きやすくなります。

3. 口腔周囲筋のトレーニングの重要性

歯並びを整えるためには、歯そのものの矯正だけでなく、お口の周りの筋肉を適切に鍛えることも重要です。プレオルソは、歯を動かすだけでなく、舌の位置を整え、口の周りの筋肉を適切に鍛えることで、自然な力で歯並びを整える効果があります。

4. 悪習慣の影響と改善策

指しゃぶり、舌を前に突き出す癖、頬杖をつく癖、口呼吸などの習慣があると、口腔内外の筋肉のバランスが崩れ、歯並びに悪影響を及ぼします。プレオルソを使用することで、こうした習慣を改善し、正しい筋肉のバランスを整えることができます。

5. バランスの取れた筋機能が理想的な歯並びを作る

歯並びは遺伝だけでなく、生活習慣や口腔周囲の筋機能のバランスによって大きく変わります。お子様の歯並びを理想的に導くためには、早期から舌や口周りの筋肉を鍛え、正しい癖を身につけることが大切です。プレオルソは、これらの機能を改善し、歯並びを整えるサポートをする装置として効果的です。

こういうお口、気になりませんか?

こういうお子様を見かけることが多くなってはいませんか。
一概に時代のせいということはできませんが、何らかの原因によって、お口をポカンと開けて、本来は鼻呼吸であるべき呼吸に関しても口呼吸をすることが多くなり、舌が本来あるべきポジションになく、食べ物や飲み物を飲み込む時にも、本来あるべき動きとは違うお子様がいらっしゃいます。また、それだけではなく、うつぶせ寝や頬杖等の癖も、歯並びに大きな変化をもたらします。人間の歯は動くものですから、それらが影響してくることは当然です。下記のような不正咬合へと繋がってしまいます。 そしてこれらが、「プレオルソ」の適応症となります。これらの改善と共に、予防としての効果ももたらします。  

プレオルソの適応症と目的について

「プレオルソ」機能的マウスピース型矯正装置を使用した治療は、そういった不正咬合に関する原因を根本から改善していこう、という治療法です。
従来のワイヤーやアライナーなどの装置を使った矯正治療でも歯を並べることはできますが、このバランスが崩れていると、後戻りの原因にもなってしましますし、歯並びだけではなく、呼吸や嚥下に関しても問題が残ったままになってしまいます。
「プレオルソ」はワイヤー矯正やアライナー矯正とは違い、歯列を細かく調整して並べることはできませんが、そのための土台を作り、歯並びを良い方向へと促すことを目的としています。

プレオルソを使用した治療法について

具体的には、お家に帰ってから一時間と、夜眠っている時にこういった装置をお口の中に入れてもらいます。取り外しができる装置ですし、装置自体は弾性のある物ですので、無理の無い範囲で、お子様も頑張ることができます。その他、よくない癖についての指導や、装置使用と併用したトレーニング指導も行います。
 

お子様の成長途中の大事な時期に、機能的マウスピース型矯正装置を使用した治療を行うことの大切さが伝わりましたでしょうか。
詳しくは当院のスタッフからもご説明させていただきますので、お気軽にお声掛けください。