歯科恐怖症(デンタルフォビア)
歯科麻酔医が在籍する当院の治療体制
歯科恐怖症(デンタルフォビア)とは、歯科医院や治療に対して強い恐怖・不安から受診が困難になってしまう状態を指します。「痛みが苦手」「注射が怖い」という一般的な苦手意識とは異なり、歯科医院に入るだけで動悸がする、治療器具の音で緊張してしまう、予約の電話をかけられないなど、日常生活に支障が出るほど強い恐怖を伴うこともあります。日本では成人の約2~3割が歯科治療に強い不安を抱えているとされ、決して珍しいものではありません。当院では、こうした不安を抱える方々が安心して治療を受けられるよう、歯科麻酔医による鎮静管理を含む専門体制を整えています。
歯科恐怖症の原因
過去の痛い治療経験
子どもの頃の痛い治療、説明不足のまま進んだ治療などは、大人になっても強い恐怖やトラウマとして残ることがあります。こうした負の経験が「歯科=怖い」というイメージを形成し、受診を妨げます。

麻酔や注射への恐怖

麻酔注射に対する恐怖心は多くの患者さまが抱えています。当院では麻酔のプロフェッショナルである歯科麻酔医が常勤し、「痛みの少ない麻酔」を徹底しています。
器具・音・匂いによる刺激
タービンの音や器具を見るだけで緊張を感じてしまうことがあります。これは身体が「危険」と認識して反応しているためで、意志で抑えることは難しいものです。
嘔吐反射の強さ
器具が口に入るとオエッとなってしまう方は、恐怖心がさらに強まり、治療自体を避けがちです。当院では嘔吐反射に配慮した治療方法を採用しています。
歯科麻酔医による「静脈内鎮静法」に対応
当院の強み:歯科麻酔医が在籍 ― “恐怖の少ない環境” を医学的に提供できます
当院には、全身管理に精通した歯科麻酔医が在籍しています。これにより、一般的な歯科医院では難しい「静脈内鎮静法(IV sedation)」を安全に提供できる点が、大きな特徴であり強みです。

静脈内鎮静法とは、点滴から鎮静薬を少量ずつ投与することで、“うとうと眠っているような、恐怖や緊張をほとんど感じない状態で治療が受けられる方法”です。全身麻酔とは異なり意識は保たれますが、記憶がぼんやりしたまま治療を終える方が多いため、歯科恐怖症の方に非常に適した医療手段といえます。
静脈内鎮静法のメリット
- 治療中の恐怖・不安・緊張が大幅に軽減される
- 気がついたら治療が終わっていた、というレベルのリラックス状態
- 血圧・脈拍・呼吸が安定し、ストレスによる体への負担が減る
- 嘔吐反射が強い方でも治療が受けやすい
- 長時間の治療も一度で行いやすい
歯科麻酔医が管理する安全な環境
静脈内鎮静法では、血圧・心拍・呼吸・酸素濃度などを継続的にモニタリングしながら治療を行います。当院では歯科麻酔医が薬剤投与をコントロールし、万一の状況にも迅速に対応できる体制を確立しています。「安心して眠っているよな状態の間に治療が終わる」という環境は、歯科恐怖症の方にとって大きな救いとなります。
歯科恐怖症の方への当院のアプローチ
1. 初診時の丁寧なカウンセリング
「何が怖いのか」「どこまでなら大丈夫か」など、一人ひとりの不安要素を明確にします。治療は無理に始めません。
2. 痛みを最小限にする麻酔技術
表面麻酔→電動麻酔→歯科麻酔医の管理という多段階の体制で、痛みのほとんどない治療を心がけています。
3. 視覚・聴覚刺激への配慮
音が苦手な方にはイヤホンをご用意し、器具が視界に入らないような環境づくりを徹底しています。
4. 段階的に慣れていくステップ治療
診療室に座るだけの日、治療無しで器具を見てみる日…といった、無理のない段階的アプローチも可能です。
5. 静脈内鎮静法を併用した“恐怖の少ない治療”
どうしても恐怖が強い方、嘔吐反射がある方、過去のトラウマが強い方には、歯科麻酔医が静脈内鎮静法を担当する体制で治療を行います。「怖さを感じないまま治療を終えられる」という選択肢があることで、治療を諦めずに済む方が多くいらっしゃいます。
歯科恐怖症の方へメッセージ
歯科恐怖症は、決して“気の持ちよう”や“我慢”の問題ではなく、医学的にも認められた状態です。過去のつらい経験、痛みへの恐怖、身体が反射的に緊張してしまうなど、誰にでも起こり得ます。当院では、歯科麻酔医と歯科医師が連携し、「恐怖を感じにくい状態で治療を受けられる体制」を整えています。
「歯医者が本当に怖い」「どうしても治療を受けられない」「何度も途中で断念したことがある」 そんな方こそ、当院にご相談ください。治療を無理に進めることはありません。あなたのペースを尊重し、専門家が寄り添いながら、できるところから丁寧に進めていきます。
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