歯をできるだけ削らない、抜かない、新しいむし歯治療
MI治療とは、「Minimal Intervention(ミニマル・インターベンション)」の略で、歯への侵襲を最小限にとどめるむし歯治療の考え方です。従来のようにむし歯を大きく削り取るのではなく、むし歯の進行度を正確に見極め、必要最小限の切削で治療することで、患者さまご自身の歯を長く守ることが目的です。
MI治療が大切な理由
歯は、一度削ってしまうと二度と元には戻りません。詰め物や被せ物によって機能を補うことはできますが、天然歯に勝るものはなく、削るほど歯の寿命は短くなってしまいます。
MI治療は、「治療のたびに歯が小さくなる」という悪循環を断ち切るための現代的なアプローチです。
MI治療の4つの基本原則
- 早期発見・早期介入(むし歯を進行前に発見)
- う蝕リスクの評価(再発しにくい口腔環境づくり)
- 非侵襲的・低侵襲的処置(必要最小限の削合)
- 歯質保存を最優先(天然歯をできるだけ残す)
当院のMI治療の特徴
1. 早期発見のための精密診断
肉眼では見えにくい初期むし歯も、拡大鏡やマイクロスコープ、さらにデジタルレントゲン・口腔内スキャナーを用いて精密に診断します。見逃しや過剰な切削を防ぎ、必要最小限の処置が可能です。
2. 削る範囲を最小限に
MI治療では、感染した象牙質(う蝕象牙質)だけを的確に除去し、健康な歯質は極力温存します。通常のドリルだけでなく、必要に応じてエアアブレージョンや超音波器具などの精密機器も使用します。
3. 接着力に優れた材料を使用
最小限しか削らないMI治療では、高い接着性能を持つレジン(コンポジットレジン)や接着性セメントが重要です。当院では、高品質なナノフィラー入りレジンや、グラスアイオノマー系材料を使い、長期的に安定した修復を実現しています。
4. 再発予防(リスク管理型の予防)
MI治療は、「削って終わり」ではなく、むし歯の再発を防ぐためのセルフケア指導・定期管理を重要視します。唾液検査や生活習慣の問診に基づき、個別の予防プログラムをご提案いたします。
MI治療で対応できる主な症例
- 初期むし歯(エナメル質内)
- 小さなむし歯で詰め物を最小限にとどめたい
- むし歯治療後の再発を防ぎたい
- 以前削られすぎた歯を今度は残したい
MI治療の限界と注意点
MI治療は万能ではなく、むし歯が神経や歯の深部にまで達している場合には、根管治療が必要になることもあります。また、削る範囲が小さい分、咬合(かみ合わせ)の微調整や繊細な技術が求められるため、治療時間が長くなることもあります。
費用について
MI治療は保険診療・自由診療の両方に対応しています。小さなむし歯のレジン修復であれば保険適用可能ですが、審美性や耐久性に優れた自費コンポジットレジンを選択することもできます。
カウンセリング時に費用と選択肢をご案内いたします。
歯を守るために「今」できる選択を
MI治療は、ただのむし歯治療ではなく、歯の寿命を守るための哲学です。従来の「とりあえず削って詰める」治療から、「できるだけ削らない・再発させない」治療へ。
一人ひとりに合ったMI治療をご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
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